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2005/12/28

The Longest Day at St. Luke's

予定されていた X-Day を過ぎること3日。
妊婦(家人)の状態も、ある意味安定しすぎているくらい安定していて、"ひょっとしたら、もう年内は…" というような感じになっていたのだけれども…。

ところが12/26深夜(もとい12/27未明)、家人が突如痛みを訴えたあたりから、"まさか、いよいよ…" と、状態が急変。
結局、その日は(夫婦共々)かろうじて睡眠が取れたという感じ。

翌朝(12/27)、もともと病院で検診を受けるコトになっていたので、その準備をする家人。
時間的に、ワタシがオフィスに向かうのと、ほぼ同じタイミングだったので、とりあえず家人を病院に連れて行ってからオフィスに向かう予定にしていたワタシ。
ところが、再び激しい痛みが家人を襲い始め、ほとんど動けない状態に。

結局ワタシは、午前の予定を全てキャンセルし、そのまましばらく病院で付き添うコトに決めた。
家人が検診を受けている間、待つこと30分ほど。まだまだ確実なコトは言えないのだろうけれども、ひょっとしたら一両日中に X-Day となるかもしれないという予感もちらつく…。

やがて医師が現れる。

どうやら生まれそうだ、というコトで、このまま至急入院となる。
直ちに入院の手続き、そして家人の入院に必要な、様々なアイテムを用意するコトに。
なんだかんだで、それなりに時間がかかりそうではあったので、この日は午後の予定も全てキャンセルし、終日家人に付き添うコトにする。

St. Luke's、もとい聖路加国際病院から、家人の実家(の店)までは、徒歩10分程度。
ときに13時。家人の実家は飲食店を営んでいるため、ランチタイムでかなり混雑しているであろうと思いつつ、店へと向かう。

案の定、店は立て込んでいた。
"入院するので、これから準備をする" 旨だけを伝えて、自宅に向かおうと思ったのだが、なぜか大盛カツカレーを食す。

満腹になった状態で自宅へ向かい、準備をする。

小ぶりのスーツケースに、必要なモノを全て詰め込み、その他入院手続きに必要な書類等々を用意し、急いで病院へと向かう。
自宅(豊洲)から St. Luke's までは、タクシーで10分程度なのだが、なぜか異様に長く感じる道のり。

 

病院に着いて、手続きを早々に済ませると、既に家人は "LDR" の中にいた。

どうやら、(今朝から順調に)状態は進行しているらしい。

医師と今後の話をしたのち、家人の昼食を調達するために外出。時刻は15時を少々回ったトコロ。冬至を過ぎたばかりで、日はもう傾きつつある。だんだん風が冷たく、強くなってきた…。

LDRに戻ると、家人は少々痛みが和らいだらしく、少し落ち着いていた。そのまま少し遅めの昼食を取っているところに、家人の母親が到着。
そのまましばし過ごす…。

家人の母親が店に戻った後、入れ替わるようにワタシの母親が到着。そして、さらにワタシの父親も到着。
こういうシーンひとつひとつが、出産という未知の出来事に対し、少しずつ現実という要素を与えていくような気がした。

日が暮れ、ワタシは両親と共に食事に出る。
St. Luke's の近所に、ワタシと家人が行きつけにしている "てんぷら屋" "寿司屋" があり、ソコに行ってみるものの、予想通りの大混雑で入れず…。仕方なく別の店で食事をする。

食後は両親と別れ、再びLDRへ…、と思ったら、食事をしていた間に家人は "とりあえずすぐには生まれそうにない" というコトのようで、LDRを出て、病室に移っていた。

ただ、LDRを出たものの、やはり規則的に陣痛は訪れているらしい。
夜が更けるにつれて、徐々に痛みの度合いは強くなっているようだ。
22時の時点で、陣痛は大体6分間隔で訪れていた。
その後も、時間の経過に合わせて、徐々に痛みは強くなってきており、また間隔も少しずつではあるものの、短くなっているのがわかる。

ちなみに St. Luke's は、妊婦が入院している場合、その夫に限って、いわゆる面会時間というモノは存在せず、いつでもアクセスできる状態になっている。
とはいうモノの、さすがに宿泊はNGなので、24時直前に一旦帰宅するコトに。

帰宅した我が家には、当たり前ながら誰もいない。
考えてみれば、(ワタシの出張や地方公演等で)家人が一人で家にいるコトはあっても、ワタシが一人で家にいるケースなんて、そうそう無かったコトに気付く。

St. Luke's を出た時点で、"なかなかすぐには生まれないだろう" というハナシを聞いていたので、とりあえず翌日はオフィスに行く前に病院に一旦立ち寄るだけにし、"何かあったら、駆けつける" というコトにし、就寝…。
ところが、いよいよ X-Day だと思うと、なかなか寝付けず、結局起きてシゴトを片付けるコトにする。気が付いたら夜が明けかけていた…。

時計は、12/28 午前5時を指していた。
今さら仮眠を取るより、そのまま起きているコトにし、準備をする。

とりあえず、家人に渡しておきたいモノ(入院中に必要であろうと思われる小物等)を届けつつ、状況を見舞うために、まずは病院に向かうコトにし、その後近くでコーヒーを飲みつつ、ゆっくりと朝食を取り、オフィスに向かうコトにする。

午前6時前、玄関の鍵をかけたトコロで突然携帯が鳴る。

"アラーム?" と思いつつ見ると、家人からのCall。声がか細くなっている。
どうやら、"ワタシが病院を出た直後、突然陣痛が激しくなり、急遽病室からLDRに移動した" らしい。
ワタシが病院を出たばかりだったので、あえて夜が明けるまで電話をしなかったようだ。

大急ぎでタクシーをつかまえ、St. Luke's まで飛ばしてもらう。
この時点で、既に4割がた状態は進行していたらしい。

家人のケア(といっても、せいぜい陣痛を和らげるためのマッサージ程度しかできないのだけれども)をしつつ2時間経過。
医師がやってきて、状況を確認する。
思ったよりも非常に順調に進行しているようで、午後には生まれるだろうとのコト。

刻一刻と変わる状況を見守りつつ、家人のケア(といっても、せいぜい汗を拭くくらいなのだけれども)をする。

午前9時頃。この時点で、状態は8割がた進行しているようだ。

徐々に医師たちが最後の準備を始める。
ワタシは、もともと "最初から最後まで立ち会う" と決めていたので、このまま残る。そして、"午前中の予定を全てキャンセル" すべく、関係各所に連絡を取る。

右手で家人の手を握りつつ、左手に携帯を持ち、"昼過ぎにはオフィスに戻る" 旨を伝える。激痛に耐える家人の声が、おそらく電話から聞こえていたかも知れない…。

午前9時半。さらに引き続き "誕生の瞬間" に向かって、状況は進行している。
ピークに達する陣痛。ワタシは用意された "立会い用の衣服" を着用し、引き続き家人のケア(といっても、せいぜい水を飲ませるくらいなのだけれども)をする。

午前10時。普段は一般の病室と何一つ変わらないたたずまいを見せているLDRが、完全なる "分娩室" に変貌する。もう "誕生の瞬間" は間もなく訪れようとしている。
ワタシは、引き続き家人のケア(といっても、せいぜい手を握るくらいなのだけれども)をする。

そして医師も驚くくらい順調に状況は進行する。痛みに耐え、必死にチカラを入れる家人。
出産という行為は、本当に苦しいのだ。決して簡単なモノではないし、男性では "よほどの怪我でもしないかぎり見ない" ほどの血だって見る。
オトコは、実際に出産という行為を行わないし、痛みを感じるコトも無い。だからこそ、出産に立ち会うというのは、本当に重要なのだ。
おそらく並大抵の気持ちでは、ちゃぁんと見るコトさえ出来ないような光景。その状況にあえて立ち会うというコトが、"父親" としての自覚と決意を強烈に自身の心に焼き付けるコトになるのだから…。

10時49分。時は来た。
わが子が、この世に生を受ける、その瞬間をしっかりと目と心に焼き付けたワタシは、涙が止まらなかった。
痛みで半分気を失いそうになっていた家人。彼女の目にも涙が浮かんでいた。その目は、もう "母親の目" になっていた。

涙を止められないワタシは、家人の手をしっかりと握っていた。"ありがとう…" この言葉を発するだけで、精一杯だった…。

その子は男の子だった。とても元気だった。ワタシは、この世に生を受けて間もない彼が、体中で必死に "世界" を感じている姿を見るだけで幸せだった。

初めて抱くわが子。とても小さい。
この子は、もとい "息子" は、この先どんな人生を送っていくのだろう…。

真冬の澄んだ空気を通した日差しが、彼の顔をやさしく照らしていた。
2005年12月28日 午前10時49分。東京 聖路加国際病院にて…。

20051228

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コメント

おめでとうございます!
りっぱな父親になってくださいね!

投稿: nagasawa | 2005/12/28 17:10

おめでとうございます!

投稿: 椎名まお | 2005/12/28 17:32

をぉ、おめでとうございます
親子で良い新年を〜

投稿: B.B. | 2005/12/28 21:40

すみません…、さすがにバタバタしてました(笑)。

みなさま>
なんか "コドモがコドモを作った" って感じでもありますが、頑張って子育てしてみます(笑)。
予想を遥かに上回る "親バカぶり" を存分にお見せしようかと(爆)。

今年の年末年始は、自宅と病院の往復に終始しそうです。三が日を過ぎたら、いよいよ "息子" が自宅に来ます。

みなさま、よいお年を!

投稿: channel5 | 2005/12/29 17:04

わあ!おめでとうございます!
しっかりした顔立ちの男の子ですねー。
親子三人でお正月を迎えられて良かったですね。これから、思いっきり親バカなエントリを期待してまーす。

投稿: sachiko | 2005/12/30 00:57

おめでとう!!
思わず涙してしまいました。
あなたは素晴らし父親になると思う。
親子三人の新しい生活がスタートする2006年、
よき年となるよう心から祈っています。

投稿: nike | 2005/12/30 14:21

sachikoサン>
もっと、"サルっぽく" て、くしゃくしゃとした顔だと思っていたのですが、意外にしっかりとした顔立ちでびっくりしました(笑)。
あ、もう既に親バカ入ってます(爆)。

今度は、sachikoサンの番ですね。
これから、色々と大変になってくると思いますが、お大事に…。元気な赤ちゃんが生まれますように。

nike>
ようやく実感が伴い始めたかな…。
2005年、最後に素晴らしい出来事があったので、うれしいです。
来年から、家族3人で。
色々とあると思うけれど、まぁ頑張ってみます。

そちらも、無事に済んだようで…。
来年は、色々とありそうだねぇ。Good Luck !!

投稿: channel5 | 2005/12/31 10:56

おめでとうございますっ!
来年も素晴らしい年でありますように!

投稿: そのけん | 2005/12/31 11:03

おめでとうございます!!
きっとJazzy!?な子供なるでしょう。

今年もよろしくお願いします。

投稿: zRyu | 2006/01/01 16:17

おめでとございます!すげー

おくれまして
いつもお世話になっておりますソフクリのmaiです
あけましておめでとうです

うちの親戚筋にも、かわいい男子が
ただいま生後1ヶ月あまりですが、髪の毛はモッサモサです
男の子って、生まれたときからオトコくさいですよね ほんと おとうさんと同じにおいしますよ

ちなみに、彼は、はっぴいえんどの「さよならアメリカ」で寝ます

ことしも なんやかんや もしかしたら よろしくです

投稿: mai | 2006/01/11 15:29

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